任意後見制度は、将来、認知症などで判断能力が不十分になった場合に備えて、事前に後見人を指定し、その人の財産管理や日常の生活支援などを行うことができるようにするための制度です。任意後見人とは、本人が判断能力があるうちに選んだ後見人のことで、公証人に任意後見契約を公正証書として作成し、登記することによって正式にその役割を果たします。

任意後見人の主な仕事内容

  1. 財産管理
    • 財産の管理や運用
    • 預金の引き出しや財産の売買などの代行
    • 財務に関する書類の管理や税金の支払い
  1. 日常生活の支援
    • 契約事務の代行(例:介護サービス契約、住宅関連の契約など)
    • 医療や介護の手配
    • 生活に必要な支出の管理
  1. 法的手続の代行
    • 本人に代わっての法的行為の実行
    • 必要に応じて裁判所への申立てや手続きの実施
  1. 本人の権利保護
    • 本人の意思や権利を尊重した支援
    • 本人が不利益を被らないように保護する行為
  1. 相談役
    • 生活や健康に関する相談に応じる
    • 本人の意思決定を支援する

注意点

任意後見人の仕事は、本人の意思を尊重し、本人の利益を最優先に行うことが基本原則です。また、任意後見人には適切な判断と行動が求められ、その行為には透明性が必要とされます。任意後見人になるためには、本人からの信頼が必要であり、契約内容に応じた責任を負うことになります。任意後見契約の内容や範囲は、本人と任意後見人との間で明確に合意し、公正証書として作成することが重要です。